病院経営のやり方 ベッドコントロールで利益が全く違う

病院経営でも利益を生み出すのがベッドコントロールです。ただ入院患者を増やして療養してもらい退院するまでの過程で何もしなければ、損をしています。

ましてそれさえも気づかないで運営している病院さえあります。

一般病棟と地域包括ケア病棟において説明してみたいと思います。

10対1一般病棟入院基本料


一般病棟は入院基本料以外にも全ての医療行為について別に点数が取れます。出来高算定と言われる病棟です。主に急性期の治療を行います。

10対1一般病棟の点数は14日以内の入院であれば1日1782点です。診療報酬はこれにおこなった医療行為がプラスされます。

15日目からは診療報酬は1日1524点プラスおこなった医療行為です。

急性期での治療は高度な治療や検査が必要になりますので出来高で点数が算定できることになっています。

地域包括ケア病棟入院料1


地域包括ケア病棟入院料1の点数は1日2558点です。一般病棟の点数よりもかなり高いです。

しかしその点数よりも他の医療行為の点数はいっさい取れません。投薬や点滴、リハビリテーションなどもこの点数に含まれてしまいます。

医療行為をおこなっても入院基本料に包括されてしまうということです。

地域包括ケア病棟の位置付けは、急性期を脱して病状は安定したが、まだ入院が必要な方が入る病棟であります。

入院期間は2ヶ月は入院できる病棟になり退院先は自宅を見据えての退院支援となります。

どの病棟を活用する?


出来高で報酬が高いというイメージが強いのは一般病棟です。看護師やリハビリスタッフも頑張って治療すればその分出来高で報酬が貰えると思っています。

一方地域包括ケア病棟はいくら良い医療を提供しても、医療行為は包括されてしまうので、利益を出せない病棟として思われています。

しかしこの考えは全く逆で、地域包括ケア病棟の方が入院料の点数が高く病院側はいかに地域包括ケア病棟を利用していただくかを考えなくてはいけません。

キーポイントは入院料の1日2558点です。

ベッドコントロール


どちらの病棟も算定上のさまざまな決まりごとはありますが、ここでは2558点をキーポイントとしてベッドコントロールの話をしていきます。一般病棟では初期は検査や高い抗生剤を投与したりと、1日の入院料ブラス医療行為で1日2558点を越える医療費です

しかしよく中身をみてみると、2558点を越える医療行為を行っているのは3日であとは2558点を下回っている日がありその後も2週間入院を続けている。

こうした患者は直ちに4日目から地域包括ケア病棟に移し1日2558点を算定していたらかなりの差がでてきます。

そんなにすぐに病棟を移動するのは現実的に無理があるかもしれませんが、常に患者の状態と医療行為の量を注視して、

退院支援に動き出すタイミングを早くできれば、必ず利益はあがります。

中には1日2000点以下の点数しか算定していないのにまだ一般病棟に入院している状況もあります。

このように退院支援を重視し1日2558点を下回っいくようであれば、転棟をおこなっていく行動力がなければ病棟経営は成り立っていきません。

そして多職種間で退院支援を常に目標にして地域包括ケア病棟に力を入れてこそ

入院料の高い点数を算定することができます。

ベッドコントロールは今後ますます重要視され、機動力のある組織の構築がひつようになります。

退院支援を早期にするということは患者の為であり、それが評価され診療報酬に現れてくるのです。今一度ベッドコントロールのあり方を考えてみてください。
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