今世の中の流れが紙を使ったカルテからパソコンを使った電子カルテへの移行が進められています。
電子カルテはとても便利なものです。パソコン1台ですべての患者情報を管理できて、診察をおこなうことができます。
他にもナース部門、リハビリ部門など分かれて患者情報を打ち込めば、1つのデータとして集約することができます。
そして集約されたカルテ情報は自動で医療点数を集計して会計ができるようになります。
電子カルテは最先端と言えます。薬の添付文書もカルテ打ち込み時にみれますし、薬の飲み方や副作用の説明もボタン1つで文書としてでてきます
このように電子カルテはとても便利ですが導入するにあたり問題点もあります。
■目次
▶
費用が高い ▶
パソコン操作 ▶
耐久年数 ▶
クラーク ▶
まとめ ■費用が高い
電子カルテシステムの導入は病床数やパソコンの台数にもよりますが、小さな50床の病院でも2000万くらいからかかります
大きい病院になればなるほど料金が高くなっていきます。公的な医療機関であればすぐに導入しているところは多いですが
民間の医療機関は投資した分の回収には苦慮します。情報の収集には役に立ちますが初期投資を考えると踏みとどまる医療機関が多いのが現状です
電子カルテが全国的に普及し価格が下落した場合は導入する病院も増えてくると思います。
▶
目次にもどる ■パソコン操作
パソコン操作も導入時の問題点です。普段パソコンを使い慣れている事務職などはスムーズに移行できますが、
カルテは多職種が扱います。医師、看護師、リハビリスタッフ、栄養士など基本的な入力をマスターしなければなりません。
現代ではスマートフォンなどの普及もありパソコン操作に慣れている年代も増えてきています。
しかし今や定年が再雇用した場合65才までは、働くことができます。導入する時の年齢が60前後の方だとパソコンを1度もさわったことのない方が
いたりさわったことがあっても電子カルテの細部にわたる操作を覚えるのは並大抵ではありませ。
逆に早期退職を余儀なくされるかもしれません。
また1度導入すると更なる新しい機能がバージョンアップされていきます
より便利に使うには機能の進化とともに新たな操作も覚えていかなくてはならないので、カルテの管理操作の業務も従来の業務に加えて増えていきます。
▶
目次にもどる■耐久年数
電子カルテは導入してしまえば終わりではありません。導入時数千万円支払ったとしても、5年から10年くらいで耐久年数がきます。
病院は24時間稼働しています。夜中も夜勤の業務がありますので、パソコンも休む間もなくフル稼働しています。
通常のパソコンの使い方
でも耐久年数は5年から10年くらいなので電子カルテシステムはフル稼働で使えばもう少し短くなるのではないでしょうか。
そしてまた新しいパソコンを導入する時にさらに良くなった電子カルテシステムがあればそれの導入を業者は進めてきます
するとまた電子カルテに投資をしていかなくてはならなくなります。
1度導入すると避けられないのが耐久年数です。
導入する場合は保証期間をしっかり確認して、新しいバージョンアップを行う時の費用も確認する必要があります。
▶
目次にもどる■医療クラーク
電子カルテを導入して削減できる費用は事務員の人件費や紙代です。
しかし事務員は受け付けの応対や苦情処理、電話対応、予防接種、助成金の申請、健康診断、など電子カルテとは別に他の業務もあるのでそれほど削減できるものではありません。
電子カルテを導入してしまえば、事務員の削減よりも医療クラークを雇わなくてなりません
医療クラークとは医師の事務作業を補助するスタッフのこと。診察室で医師の電子カルテへの入力を代行したりします。
このクラークを雇わないと医師の診察の時間は長引いてしまいます。
パソコン操作が苦手な医師はさらに長引くのでクラークはとても重要です。
▶
目次にもどる■まとめ
電子カルテはやはり公的な大きな病院や、小さな診療所では、導入しやすいかもしれません。
公的な病院だと赤字でも病院は成り立っていきカルテ管理も省けます。
小さな診療所だと扱う人が小数なのですぐ慣れて使いこなせるようになります。またパソコン台数も少なく初期投資をおさえられます。
電子カルテは便利ですがやはり初期投資に問題があります。初期投資が安くなれば広がっていくと思います。
医療費は今後抑制されていきます。そのなかでも利便性を考えた場合は導入を検討すべきです。
個人的には、スマートフォンがこれだけ普及しているので、スマートフォンのアプリで電子カルテがあれば便利です。
それをクラウド化して院内ネットワークが構築できれば電子カルテができますし、どこからでも誰でもカルテの記載ができるようになると思います。
▶
目次にもどる
- 関連記事
-
コメント