病院経営のやり方 病院は人材が大切離職率を下げて安定した経営を目指そう

病院経営と言えばどうしても経営するという理念が薄いように感じます。
病院は法人であり学校やお寺、公共の施設と同じようにみられ、利益優先的な主義は禁止されています。

奉仕する見返りに、患者から自己負担を頂き、その差額を診療報酬として請求する。簡単に言えば表向きは利益を優先しない非営利組織であります。

しかし実情はそんなにあまくはありません。近年少子高齢化で医療費が膨れ上がり財政を圧迫するという懸念から診療報酬が引き下げられています。

このまま引き下げられれば、病院の経営も表向きは非営利の理念でも利益を出せる組織として動いていかなくてはなりません。

病院の設備投資にはお金がかかります。CTやMRI
は億単位のものから、電子カルテシステム、手術機具、内視鏡、レントゲンなどありとあらゆる設備にお金がかかります。

医師の技術も大切ですが、こうした最先端の設備がないと良い医療は提供できません。

その為には利益を出し続けていかなくてはいけません。

また医療の現場で働く人の人件費はけして安いものではありません。診療報酬が下がったからといって人件費を簡単に下げることはできません。

中には人件費を下げて利益を出している所もあるとおもいます。

今後どのようにして利益を上げていくのか?その方法は良い医療を提供できる病院であること。さらに良いサービスも提供し、信頼のおける病院であることが大前提です。

診療報酬が引き下げられるということは、患者一人一人の単価が下がるということです。しかし少子高齢化で医療を必要としている方は増えます。

より一層患者数を増やすことが大事になります。

今までよりも仕事の量は増えていくが、給料はそれほど上がらないという事態にならない為にも早急な対応が必要です。

ここでは良い医療、良いサービスを提供する為に病院で働く人材をテーマにしていきたいと思います。

良い人材はいなくなる

良い人材、優秀な人材ほど日頃からたくさん勉強し病院の為にと一生懸命働いているはずです。

しかし良い人材ほどもろいものはありません。病院で働いているほとんどの職種は国家資格を持っています。

いつ辞めても次の仕事があるため簡単に辞めることができるのです。少しでも待遇の良いところに行きたいのはみんな同じです。

良い人材は読書家が多いため病院の経営状況をすぐ察知します。また判断能力もある為辞める決断も早いです。
専門職を理解する


では優秀な人材を確保していく為にはどのようにするべきでしょうか

まずは病院で労務管理する為の基礎を学ばなければなりません。

病院で働くほとんどの人材は専門職です。経営の父と呼ばれるドラッカーはこんなことを言っています。

専門職は一般企業の縦社会は通用しない。

一般企業では業績の目標に添って上司から業務を命じられます。簡単に言うと流れ作業感覚です。上司から言われたことを全うすることで自分の地位が保たれます。

しかし専門職は一筋縄では行きません。特に病院などの専門職だけの職場は専門職の特性を知った上で経営をしなければなりません。

そして専門職は最前線で患者の為に常に働いていることを頭に入れておかなければなりません。

それを最前線にいない人間が頭ごなしに言ってしまうとやる気を失ってしまいます。

専門職の仕事の内容は自己実現でもあります。自分の実力を発揮できる場所でもあります。

ドラッカーは言っています。専門職の仕事はある程度任せて自由を尊重しなければならない。

そのことを理解した上で
病院の経営をしていかなければなりません。

やる気を引き出す


仕事のやる気を引き出すことは簡単なことではありません。ただ報酬だけ増やせば良いという訳でもありません。

やる気は引き出してもらう訳ではなく、自分の仕事へのモチベーションの持ち方が悪いという意見もあるかもしれません。

しかしスポーツの世界では指導者の重要性は立証されています。まず勝利する為には、本人のやる気を引き出すことが何よりも大事であると言われています。やる気のある選手は何も言わずに努力を始めます。勝利に向かって努力をして必ず優勝します。

それと同じように仕事もやる気を常に引き出してあげられる人材も必要です。そのような人は管理職でもありますが、とにかく細部にわたって注意を払い見守る管理職が大切です。

離職率を減らす


現在インターネットの向上でスマートフォンで何でも調べることができます。

病院の職場環境や就業規則、労働基準法、平均給与、求人、さまざまな情報が手元で調べられます。

管理者は全てのことに注意を払い経営を考えていかなければなりません。

平均的に全ての処遇を考えて満足のいく職場環境の構築が離職率を下げる方法でもあります。

また最大の離職率の要因としては人間関係があります。

人間関係は個人の問題で経営的には関与しないのでは、どうしても離職率は防ぐことはできません。

なぜ人間関係が悪くなるのかを考えた時、どうしても、仕事量と仕事のストレスが関係してきます。仕事が忙しくてストレスが溜まるとどうしても自分を守ろうとする心理が働きます。

結局うまくいかないのは
人のせいにしてしまいます。

ましてや忙しい時に医療ミスをしてしまっては自分のせいではなく忙しいのが悪いと思ってしまいます。

ゆとりが大事






職場環境で一番大切なことは、ゆとりです。ゆとりのある職場はとても良い方向に働きます。

逆に経営が苦しいため人件費を削り、忙しい環境を作っていってしまっては医療ミス、人材の離職と悪い方向にいってしまいます。

経営にとって人件費は最大の出費ですが、人材は宝でもあります。一人一人の力を合わせて仕事をしていけば必ず経営は上手くいくはずです。

ますます診療報酬の引き下げで厳しくなる医療業界ですが、人材を大切に経営をおこなっていくのも1つの方法です。
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