30年診療報酬改定療養病床入院基本料2の行方

平成30年には診療報酬改定、介護報酬改定の同時改定があります。

その改定の中で療養病床入院基本料2について動向を考えていきたいと思います。

この情報は29年11月にまとめた情報になりますので、今後の情報をしっかり押さえていってください。

■目次


介護療養型医療施設
療養病棟入院基本料2概要
療養型のリハビリ
今後の医療区分の割合
6年間の経過措置

■介護療養型医療施設



介護療養型医療施設は30年の3月で廃止が決定しています。その介護療養型医療施設の受皿として介護医療院が新設されます。

介護療養型医療施設はそのまま介護保険の介護医療院に転換していくと考えられています。

転換の経過措置としては6年となっています。

そこで現在介護療養型医療施設と同等な療養病棟入院基本料の2も介護医療院への転換が進むのではないかと推測されています。

療養病棟入院基本料の1は医療処置の特に必要な方が入院しているのでそのまま存続していくと考えてられています。

介護療養型医療施設の介護医療院への転換を終わらせた後療養病棟入院基本料2も転換へともっていくのか今後注目していかなくてはいけません。

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■療養病棟入院基本料2概要



療養病棟入院基本料2の概要は看護配置は25対1です。医療区分の割合は医療区分の2医療区分の3が5割以上となっています。

平成27年では全国で療養病棟入院基本料の2を届け出ている数はおよそ71000床にも及びます。

療養病棟入院基本料2の課題としては、4割は医療区分の1の方であるということです。

前から指摘されている社会的入院ではないかて言われています。

調査結果によると療養病棟を退院しない理由として本人や家族の希望に適わない為、入所先の施設の事由で退院先の確保ができないと言ったことが多く

医学的な理由以外の理由が一定割合存在していることがわかっています。

結局の所病院の療養病棟は比較的料金も安く施設に入るよりも負担が少ないです。特に居住費など支払う必要がないので

施設に入るよりも療養病棟のほうが良いことになります。そして病院には医師、看護士、理学療法師、管理栄養士、介護福祉士、など多職種が看護にあたってくれるので、安心ともいえます。

しかし病院自体は生活環境や居住性、プライバシーなどの問題があるため介護医療院への転換という方向性が見えてきます。

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■療養型のリハビリ



療養病床でのリハビリテーションもデータ提出により細かなデータの統計がとられてきました。

一週間に行うリハビリテーションの日数は、
提供日数が多いほど在宅復帰率が高いというデータが出てきました。

一回に行うリハビリの単位数は2単位した人と4単位した人との在宅復帰率にほとんど差がありません。

長時間のリハビリよりも短時間で提供回数を増やしたほうが在宅復帰に繋がるといえます。

療養病棟でのリハビリテーションはほとんどの患者が維持期のリハビリテーションになります。

こうしたことを踏まえて上限が13単位までとなると在宅復帰に向けてのリハビリテーションは難しくなるのではないかと思います。

在宅復帰に向けてはギリギリのラインになってしまいます。

もう少し状態に応じたリハビリテーションの上限の緩和が重要ではないかと思います。

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■今後の医療区分の割合



療養病棟入院基本料2の医療区分の割合は重症である医療区分2医療区分3の割合が5割であることから今後患者や家族の希望で入院している患者は

社会的入院をしていると見なされ、本当に医療を必要としている患者が入院する病棟と位置付けられれば、

医療区分の2、3の割合が5割よりも増えていくと思われます。

医療区分1の患者は病院から退院を迫られ、また受皿となる施設を探さなくてはならなくてはなりません。

病院も基準を満たせなくなった病院は介護医療院への転換となっていのかもしれません。

まだ詳細な割合が出ていないのでどうなるかはわかりませんが、データをみる限りでは方向性は見えてきていると言っても良いとおもいます。


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■6年間の経過措置



介護療養型医療施設が介護医療院に転換する経過措置は6年と出ていますので、療養病棟入院基本料2の介護医療院への転換は6年の経過措置があると思っても大丈夫だとおもいます。

まだ慌てる時期ではないですが方向性を見極めるのは良いかと思います。

病院経営を考えても急に療養病棟入院基本料2から療養病棟入院基本料1に施設基準をあげてしまえば医療区分1の患者は2割以下しか入院できなくなってしまい

退院を迫らなくてならなくなります。

病院にとっても減収になってしまいます。

病棟を考える時は、他院との競合性や地域の受皿となる施設、地域の人口など多方面を考えて

病棟を選択していかなくてはなりません。

療養病棟入院基本料2の比較的必要な地域は人口は多くないが、高齢化が進んでいる地方の受皿として機能しているように見えます。

療養病棟入院基本料2を継続していく上で地域性を見ていくのも1つの方法かもしれません。


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